地方からやってきたスター!名馬オグリキャップの伝説【後編】

おうまさん図鑑
ソダちゃん
ソダちゃん

前回の話、ほんとすごかったね!地方から中央に来て、いきなりG3勝って、重賞6連勝して、有馬記念まで勝っちゃうなんて…まさにマンガみたい!

ロマン
ロマン

でしょ?“無名の地方馬が中央の王者になる”なんて、ほんとに夢があるよね。
1988年の有馬記念でついにG1を勝って、全国のスターになったわけだけど──実は、オグリキャップの物語はここからがまたドラマチックなんだ。

ソダちゃん
ソダちゃん

えっ、もう頂点に立ったんだから、その後は引退してもおかしくないよね?まだ続きがあるの?

ロマン
ロマン

あるどころか、むしろここからが“オグリ伝説”の本番とも言えるかも。
勝てなくなっても、それでも走り続けた姿。そして、最後に見せた“奇跡のラストラン”…。

ソダちゃん
ソダちゃん

えっ…まさか、それって──!?

ロマン
ロマン

ということで、今回はそんな“栄光と苦悩のラストシーズン”、そしてファンの記憶に永遠に刻まれた“あのラストラン”まで、オグリキャップの後半戦をたっぷり語っていくよ!

王者として迎えた1989年──天皇賞秋のリベンジ

1988年の有馬記念で頂点に立ったオグリキャップは、脚部不安のため翌年春シーズンを全休。ファンにとっては心配な日々が続きましたが、秋の復帰戦・オールカマー(G2)で復活を告げる快勝。続く毎日王冠(G2)も連勝し、再びターフの主役として帰ってきました。

そして迎えたのは、昨年惜敗した天皇賞・秋(G1)。リベンジの舞台です。単勝1.9倍の圧倒的1番人気。中団でじっくり脚をため、勝負どころの3コーナーから一気に加速。直線では驚異的な末脚を見せましたが、武豊騎手のスーパークリークにはわずかに届かず、2年連続の2着。勝利にはあと一歩届きませんでした。


伝説──マイルCSからジャパンカップの衝撃連闘

続くマイルチャンピオンシップ(G1)。相手は武豊騎手騎乗のバンブーメモリー。完璧な仕掛けで抜け出され、「また2着か」と誰もが思ったその瞬間──オグリは根性で差し切ったのです。南井騎手は勝利のあと、感涙を流しました。

──そして驚くべきはその翌週。なんとオグリは、ジャパンカップ(G1)に“連闘”で出走するのです!

普通、G1クラスの馬はレースの疲労を抜き、万全の体調に戻すために1か月以上の間隔を空けるのが常識。それをたった1週間で再び世界の強豪と戦うなんて、人間でいえば、フルマラソンを二日連続で走るようなものです。まさに“スーパーホース”と呼ぶにふさわしい挑戦でした。

レースでは先行4番手から進み、直線では怒涛の末脚。勝ったのはニュージーランドの名馬ホーリックスでしたが、オグリも世界レコード決着の中で堂々の2着。疲労困憊のはずの連闘で、世界と互角の走りを見せつけたのです。


1990年 武豊騎手との初コンビ

前年の有馬記念で5着に敗れたオグリキャップは、5歳(当時は6歳表記)となる春シーズンに突入しました。

そして始動戦として選ばれたのは、マイルG1の安田記念。このレースで、競馬ファンが長年夢見ていた“奇跡のコンビ”がついに実現します。

その相手とは──武豊騎手。

これまでオグリの前に立ちはだかってきた宿敵・スーパークリークの主戦騎手であり、マイルチャンピオンシップではバンブーメモリーでオグリを追い詰めた、まさに“最大のライバル”のひとり。

その武豊が、ついにオグリの背に跨る──
アイドルのような騎手と馬の共演にファンの期待と興奮は最高潮に達しました。

レースでは好スタートから3番手を追走。そして直線、手綱を軽く動かしただけでオグリは一気にスパート!他馬をまるで置き去りにするかのような走りに、実況は思わず叫びます──
「信じられない! 世界に持っていきたい!」
ファンの誰もが思いました。「オグリはまだ終わっていない。いや、今が一番強いかもしれない」と。

続く宝塚記念では惜しくも2着となりましたが、力強い走りで再びファンを魅了しました。


秋、ファンの期待は膨らむが──まさかの…

秋初戦となる天皇賞・秋。再び1番人気での出走。これまで2年連続2着の舞台、今度こそ、と期待が高まります。

レースは好位5番手から進め、直線では手応えも十分──しかし、末脚が伸びずまさかの6着敗退。キャリアで初めて掲示板(5着以内)を外す結果となりました。

続くジャパンカップではさらに不安が募る中、後方からの競馬で末脚不発。結果は11着。

「オグリはもう終わった」──ファンの間でささやかれ始めた失望の声。引退の二文字も現実味を帯びてきた時期でした。
それでも、誰もが心のどこかで信じていたのです。あの馬なら、もう一度、奇跡を起こしてくれるはずだと。


感動のラストラン──そして伝説へ

そんな中、陣営はオグリキャップの次走を“ラストラン”と発表。舞台は、有馬記念(G1)。 コンビを組むのは再び武豊騎手。4番人気という評価に甘んじながらも、ファンは奇跡を信じました。

当日は17万人を超える大観衆が中山競馬場に詰めかけます。 レース前、気が抜けていたオグリに武騎手がかけた言葉── 「お前、オグリキャップやからな」

その一言で火が付いたかのように、オグリは燃えました。

レースは中団待機から、3コーナーで武騎手が合図。 4コーナーで一気に先頭に並びかけ、直線ではオグリ本来の末脚が炸裂!

最後はメジロライアンの猛追を振り切り、ゴール板を駆け抜けました。

──奇跡の復活劇。 ──これぞ、オグリキャップ。

ファンの誰もが涙した、伝説のラストランでした。

種牡馬としてのオグリキャップ

引退後は種牡馬となったオグリキャップ。代表産駒には、オープンクラスききょうSを勝ったオグリワンなどがいます。

種牡馬としての成績は目立ったものではありませんでしたが、競走馬として見せたその姿は、永遠に語り継がれることとなります。

オグリキャップは2010年、老衰によりこの世を去りました。 しかし、その走り、その魂は、今も競馬ファンの心に生き続けています。

記事のまとめ──地方から駆け上がった“芦毛の怪物”

無名の地方馬が、中央の頂点に立ち、世界と戦い、何度も敗れては立ち上がり──

そして、最後には“伝説のラストラン”で競馬史に名を刻んだオグリキャップ。

決して順風満帆な道のりではありませんでした。 だけど、だからこそ彼の物語は人々の心を打ち、今なお語り継がれているのです。

「オグリキャップ」。

その名前を聞くだけで、胸が熱くなる。

──それが名馬という存在であり、

──それが競馬の魅力なのです。

オグリキャップは、まさに“奇跡を体現した馬”。 期待されずに生まれ、地方から中央へ、そして競馬界のトップへ。

そのストーリーは、競馬初心者でも胸が熱くなること間違いなし! これをきっかけに、他の名馬たちの物語にも触れてみてくださいね!

最後まで読んでいただきありがとうございました!
また次のレースで会いましょう!

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